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旅のサポーター齊藤洋司のブログ                                            「家の親も連れていける」(22.12.22)

トラベルサポーターをやっていますと、色々なことがあります。今回は、一般バス旅行に行ったお話です。

秋もたけなわ、紅葉シーズンに香嵐渓、湖東三山をめぐる一泊の旅です。旅行社からの依頼で、一般ツアーの中に、奥様と旦那様、それに奥様のお姉さんが一緒です。旦那さんが車椅子ユーザーです。その3人の中に私が加わりました。いつもは3人で行かれるそうですが・・・。そうなると、どうしても車椅子の旦那様をお世話しなければなりません。それによって、観光が楽しめない。それで私の出番となりました。

一般ツアーに組み込まれた旅行ですので、車椅子ユーザーは他にはいません。他の方は、歩いて行動します。

その為、私たち4人は前の方の席をお願いし、サービスエリアでのトイレ休憩の時は、真っ先に降りて、最後に乗ることにしました。車椅子の方は、障がい者トイレでなくてはなりません。今でこそ増えましたが、少ない時代もありました。特に車椅子の人達の団体旅行では、障がい者用トイレの確保に走り回ったことがあります。

さて湖東三山のお寺は忘れましたが、お寺は上の方にあり石段があります。そのとき旦那様が「ボクはいいよ、待っている」と言って、奥さんとお姉さんを行かせました。それで2人はずんずん登って行きました。そして下で待つことになって、しばらくしてから「ボクも行きたい」と言い出しました。見上げれば石の階段が何段もあります。『困ってしまいました』通りかかった人が「お手伝いしましょうか」と声を掛けてくれたのですが・・・。

私は断りました。お手伝いしていただければ上にあがれるかもしれません。しかし、帰りは下らなければなりません。そのとき果たして、お手伝いしてくれる人が見つかるかわかりません。もう一つ一般ツアーですので、時間の厳守が求められています。他のお客さんを待たすわけにはいきません。そのため無理ができないのです。

旅行の行程は、時間表が決められ、それによって運転手さん、添乗員すべてのスタッフは行動しています。ですからトイレ休憩の場所、見学地など時間が決められます。その為、サポーターはお客様の要求に対してサービスをしながら、全体の動きを見ていかなければなりません。特に健常者と一緒の旅では、特別なわけにはいきません。どう調和していくかが求められます。

そんな事がありましたが、無事帰ってきました。一般ツアーに、身障者が共に旅することも良いのではないでしょうか。車椅子ユーザーが理解されて旅ができる、これからの共生社会では大切なことではないでしょうか。

私達『車椅子ユーザー』の旅を見ていた一般の方が、これなら「家の親も連れていけるなー」と言われたことが印象に残っております。

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