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齋藤洋司の「お遍路日記」徳島県編第3回 (最終会) 第20番鶴林寺~23番薬王寺まで(22.07.22)

(七日目)

鶴林寺入口まで送ってもらい、「遍路転がし」へ。いくつもの階段を登り、20番鶴林寺、鶴の像が待っていた。階段を下り、また上って21番太龍寺へ。ロプウェーイ脇を下って舎心ヵ嶽(弘法大師がここで修業をした像がある)を超え山道を歩く。注意書きがあり、十分注意してくださいと記されている。ここから先が長かった。今夜一緒の「山茶花」に泊まる人たちはどんどん行く。私の足では追いつかない。大根峠を越える頃には、薄暗くなりだしていた。あせった。「山茶花ですが、今どこですか」電話がはいる。「阿波銀行の看板が見えます」そこから2百米ぐらい先だった。ついたのは6時半、一緒になった人たちは、風呂に入り食事をしていた。洗濯、風呂、乾燥の間に食事、忙しい。

(八日目)

朝7時、宿に荷物を置いたまま平等寺を参拝。「さかもと」で一緒になった人が来ていた。ここのお寺はNHKの「小さな旅」で紹介され、手洗い場のタオルを毎日洗って、替える人の話がでていた。それを思い出しながら、般若心経を唱える。ここから海岸線に出て由岐、田井ノ浜、木岐へ。海岸線近くから足が進まない。平等寺から4時間も見れば十分な道が、道路の照り返しと、疲労で遅れるばかりである。この木岐の海岸には、私が投句した俳句が立っている。『故郷に 似たる海岸 野菊咲く』の2017年「俳句の小道」で記したものである。その縁で「夢ギャラリー」に寄ることになっている。木岐では、Nさんが遍路道で待っていてくれた。4年ぶりの再会である。変わらず元気で、すぐに夢ギャラリーのSさんのところへ。

ここで、牟岐のYさんも参加して楽しい一時を持った。同年輩の人たちで、ついこの間まで知らなかった人とお話をする。これが旅の醍醐味である。前回、遅くまで語り合ったことを思い出していた。海が見える「ゆき荘」に泊まった。

 (九日目)

前日の遍路道まで送ってもらい歩き出す。途中、大浜海岸うみがめ博物館で海亀を見学する。ここは日和佐の海亀として、産卵にやってくる海亀を保護し、増やすことをしている。各国のカメが生きたまま飼育されていて、カメの種類が多いのには驚いた。テレビでよく放映されるので注目していたが。大浜を出て、いよいよ23番薬王寺である。しかし足が進まない。一歩一歩カメのごとく歩く。やっと薬王寺の塔が見えた。塔まで登り今回のお遍路を終えた。

本当は、日和佐から出羽島に出て、一日ゆっくりして帰ろうかと思っていたが、出羽島のゲストハウスに断られ、日和佐のきよ美旅館に泊る。古い旅館で、客室が幾つもあるのに私が一人。翌日1番の特急で岡山から新幹線に乗り帰ってきました。ともかく疲れた、夕飯も食べずに寝る。

今度のお遍路で「晴れの焼山寺」は実現しませんでしたが、全行程を歩き通しました。1日約3万歩、距離は約20キロ強。少ない日で約2万歩、距離は10キロ強、最後はバテテしまいましたが。歩けたことに感謝しなければなりません。

「お遍路」とは?

 ともかくやってみる。そして何かを感じられれば、それで良いのではないでしょうか。堅苦しく考える必要もありません。一ヵ寺、一ヵ寺、般若心経を唱えながら歩いたからと言って、何かの悟りが開けるものでもありません。今回は、若い人に何人か会いました。職場をやめたきっかけに・・・等々。歩くことによって、自分捜しができるのではないでしょうか。『立ち止まる』『間を持つ』忙しい人生の中で必要な事ではないでしょうか。

バス、電車、タクシーなど交通機関を使ってのお遍路もあります。車椅子でのお遍路も、実現できます。区切り打ちもあります。コロナが収束したら、気軽に出かけてほしいと思っています。

 そして私は、秋に修行の道場、高知県を歩こうと考えています。

お遍路に関しては(一社)四国八十八か所霊場会の資料をご覧ください。(https://88shikokuhenro.jp/shikoku88/#tokushima)                          四国お遍路の地図は下記を参照ください。                           地図蔵:四国八十八ヶ所霊場マップ ( https://japonyol.net/ohenrosan.html#close )                       

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