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齋藤洋司の「お遍路日記」徳島県編第1回               第1番霊山寺~第11番藤井寺まで(22.06.22)

3度目のお遍路を計画していたのだが、なかなか行けなかった。コロナ禍で出掛けて罹患したら大変なことになる。 

 2022年5月10日、バスタ新宿より夜行バスで徳島に向かった。4年ぶりである。

11日朝、徳島駅に着いてみれば、朝早いせいもあり街が閑散としていて、朝食がとれない。高徳線で坂東駅へ、雨が降っている。合羽を着ての出立である。

 今度の目的は、前回、雨の焼山寺越えで難儀したので、なんとしても晴れた日に歩きたいと思った事。全行程をバス、電車に乗らず大師道を歩くこと。

(一日目)

一番霊山寺。門前のお遍路用品を売っている店も閉まっていて、観光客や外国人がいない。これがコロナの実態である。納経を済ませ雨の中歩いた。2番極楽寺の長命杉(弘法大師がお手植えしたといわれる)を仰ぎ見て歩を進めていく。金泉寺を打ち大日寺を打ち歩いていると、コンビニを見つけた。空いたお腹を、おにぎりで満たし頃には14時近かった。そこから2,3百米歩いただろうか。うどん屋があるではないか。もっと早くわかれば・・・。そこで、うどんを食し5番地蔵寺へ。五百羅漢は壮大な羅漢像が所狭しと並んでいて、一見の価値あり。六番安楽寺につく頃には、雨とムレでビショビショ、広い天然温泉につかり汗を流す。

夜六時から本堂で説法。待合室には、お遍路によって病気が治った人のお話が書いてあり、木札、納札、ロウソクが渡されめいめいが先祖の供養、自分の名前を書いた。暗い流れるプールの中で、灯されたロウソクの火が流れていき、木札は、お焚きげでパチパチと燃え、なんとも神秘的な瞬間で、自分が仏様と一体となっていくような感覚さえしてくる。なんとも厳粛なおごそかな一夜となった。そして、亡き人への思いが募った。

(二日目)

朝7時過ぎ宿坊をでて雨の中、7番十楽寺へ。菅笠をかぶり杖を突き「お遍路マーク」を頼りに歩く。(5センチ位のシールで、電柱などに貼ってあり道案内をしてくれる)このマークと矢印でどれだけ助けられたことか。十楽寺では賄のおばさんを、東京のテレビで見た事を話しながら納経する。ここの宿坊は、バリアフリーになっていて、足の悪い人でも使いやすい。本堂へも車椅子で行かれる。

八番熊谷寺で、前回杖を忘れたことを思い出し「1,2,3,4」唱和し荷物を確認する。十番切幡寺は山門から本堂が遠い、雨はやまない。弘法大師が、機を織っていた娘に、布の喜捨を乞うたところ、惜しげもなく布を差し出した。

大師は感激し娘の願いを聞き、灌頂を授けたところ即身成仏して千手観音になったという伝説だ。「機織り観音像」がある。晴れていれば、吉野川を眼下に見渡せる。

本堂へは、車椅子で行けるか確認する。最後の登り坂が厳しい。石畳で道が狭く、介助者が動きにくい。柵がないため転落の危険がある。昼食は阿波市役所の食堂で!途中あったお遍路さんが勧めてくれた。安くて落ち着ける。吉野川にかかる潜水橋を渡り、藤井寺を打ち「吉野」に泊まる。洗濯、乾燥をする。昨日、安楽寺で会った、三重の人と一緒だ。

                          ユニバーサルツーリズム総合研究所 研究員

お遍路に関しては(一社)四国八十八か所霊場会の資料をご覧ください。(https://88shikokuhenro.jp/shikoku88/#tokushima)                                次回は第12番焼山寺~第16番観音寺です。お楽しみにお待ちください

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