室井 孝王
2021年12月19日(日)の朝はかなり冷え込んでいました。朝8時30分、受付で受け取った日程表は『木育学校入学証』とありました。「?」と首をかしげたまま出発しました。
バスの中で同行係員の案内、おはようトラベル株式会社野村社長のご挨拶、ここまでは普通のバス旅です。その後、檜原森のおもちゃ美術館の大谷館長からお話が始まったのです。館長さんは檜原村のご自宅を早朝出て電車で新宿の集合場所まで来てくれたのです。お話は、おもちゃ美術館のこと、檜原村の様子などお話は多岐にわたり、型破りな館長さんだなというのが第一印象です。お話の中で、「これをお話しするとこの後のクイズの回答になっちゃうなぁ」と期待を持たせる内容でした。
続いてバスの中全員参加のクイズ大会となりました。橿原村の現在の人口は?答えは2,200人、私の住んでいる町内会2,000世帯ありますので、町内会よりも少人数なので驚きました。檜原村の杉植林はいつごろから? 檜原村特産「おいねのつるいも」とは何でしょうか? などのクイズでした。
檜原森のおもちゃ美術館の館長になるにはどうすればなれるか? 興味深いこのクイズの答えは、計画段階で北檜原小学校のOB、OGが集まり、話し合いで、館長はじゃんけんで決めようとなり、大谷館長がじゃんけんに勝って館長になったとのことです。大谷さんは東京都庁の職員でしたが退職をして館長さんになられたそうです。どおりでお話が型破りだと納得しました。
森のおもちゃ美術館到着後、まず木工ワークショップでした。電動機材がそろっている木工室で、ヒノキの枝から切り出された直径2~3cm、厚さ1.5cm、丸い年輪がみえる木材を渡されました。ミッションは磨いてすべすべにすることでした。やすり紙120番(粗目)その後120番(仕上げ)でみんなワイワイガヤガヤ言いながら一心に磨きました。
指で撫でながら削っていると不思議に私たち皆の気持ちが一つになりました。その後に丸い磁石を埋込、ねじで固定しました。最後に森のおもちゃ美術館の焼き印を押してもらい完成です。世界に一つしかない年輪を持つ木片のマグネット完成でした。
皆で見せ合いながら、ああでもない、こうでもないと一遍に打ち解けました。これから館内を案内してもらうのが待ち遠しくなってしまいました。こんな浮き浮きした期待感を抱いたのは小学校一年生の遠足以来の様な気がしました。
その2
檜原森のおもちゃ美術館は二階建ての建物で、廃校となった檜原北小学校を建て替えたので外観は小学校のようでした。
1階ほぼ中央、東側に面した入口から入ります。靴は下駄箱に入れて入ります。スリッパや部屋履きはありません。12月中旬でしたので足が冷たいのではと思いました。全館全て床は木でできていました。暖かいのです。木の暖かさだそうです。
1階にはミュージアムショップ、木工室、山広場、ごっこひろば、収納庫があります。2階にはさとやま食堂、てんじひろば、赤ちゃん木育ひろば、グッドトイひろば、でんしょうひろばがあります。ひらがなで表示されています。でんしょうひろばには木製の独楽、様々なけん玉があり、すぐに遊べます。グッドトイひろばには一人でも数人でも遊べるおもちゃやグッズがあり、親子で、友だちと時間を忘れて遊べます。それぞれのひろばには係員のおにいさんやおねえさんがいて、楽しみ方を教えてくれます。グッドトイひろばのおねえさんに「面白いのありますか?」と聞くと、いろいろ教えてくれました。もっと時間があったらきっとずっと遊んでいたと思います。
赤ちゃん木育ひろばは3才以下専用のひろばで、床材がより暖かい材質でできており、おもちゃも優しいものがそろっていました。
てんじひろばには、いろいろな木製の積み木があり、どの位積み重ねるか遊べます。その日の一番の人には館長さんから賞品をもらえます。イスの形、碁石のような形、変則八角形の木片など、どれも時間を忘れて没頭できます。集中しないとすぐに崩れてしまうので、みんな真剣に取り組みました。一番になった人にはみんなで大きな拍手を送りました。
その3
森のおもちゃ美術館のお昼は二階にあるcaféさとやま食堂でいただきました。地元のお野菜、地元のおねえさん、おにいさんが作ってくれる日替わり定食です。メインはキノコの炊き込みご飯かおうどんを選びます。大きなお皿に盛られたおおぎりになっている蒸し野菜です。ドレッシングがなくてもお野菜のおいしさが口いっぱいに広がりました。コーヒーか紅茶が選べます。フロア担当のおにいさんが手際よく案内してくれました。
今回のバス旅でしか体験できないことのひとつに世界から届いているおもちゃの収納庫見学があります。館長に案内されて入った収納庫には数えきれない国々から届いているおもちゃがきちんと収納箱(押し入れで使われている収納箱)に収められていて、延べ50メートル程ある壁面の棚に並んでいました。ここから日本中にあるおもちゃ美術館に順番に特別展として巡回するそうです。何十年もかかるほどおもちゃたちが待機していました。
この収納庫の床は木材ではなく、リノニュームでした。入って数分で足が冷えてきました。館長さんが木の床がこいしくなるでしょうと笑いながら言いました。みんないそいで収納庫を出て館内の暖かい木の床に満足しました。