我が国の障がい者に対する施策は障害者差別解消法や改正バリアフリー法等により差別禁止、合理的配慮の提供や移動等の円滑化が図られてきました。また、オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、多様性がある方々の受け入れ環境整備が進められてきました。しかしながら、観光関連業界にユニバーサルツーリズム、アクセシブル・ツーリズムが浸透しているとは限らず、高齢者・障がい者が安心・安全で快適に外出や旅ができる観光地ばかりではありません。
少子高齢化や感染症等により減少が予想される観光関連産業の市場維持は業界全体の大きな課題です。国土交通省の「車いす、足腰が不安なシニア層の国内宿泊旅行拡大に関する調査研究」によりますと一人当たり年間平均国内宿泊旅行回数は60歳代の1.41回から70歳以降になると年1.0回に急減しています。加齢による身体的な衰えが大きな原因です。障がいや不安により旅をあきらめる高齢者が増え、少子化と相まって観光産業市場は縮小していきます。
ユニバーサルツーリズム、アクセシブル・ツーリズムが行政機関や観光関連業に浸透することで高齢者・障がい者の外出、旅先での受け入れ整備が進めば、観光産業縮小化の課題解決となり、高齢者・障がい者が旅で元気になる豊かな暮らしにも貢献します。ユニバーサルツーリズムの調査・研究、推進事業を行い誰もが旅を諦めない社会を目指して法人を設立しました。皆様のご理解と幅広いご支援をお願いいたします。