2025年3月21日:旅のベテランサポーター【齊藤洋司のTopics】
「四国お遍路」 第6章(最終回)① (25.3.21〜3.27)[2025/5/9up]
今年の寒さは厳しく、雪国に住む人たちは、大雪で悲鳴を上げていた。それにともない野菜の生育が悪く高騰していた。
そんな中、春とはいえ例年にない寒さの中、四国お遍路に出発した。今回は二子玉川駅からの夜行バスで、今治へ。前回行くことが出来なかった55番南光坊からである。
88番大窪寺 結願の写真
(第1日目)天気 晴
前回(昨年10月)の夜行バスでは2時間も遅れて、その後の行程に支障をきたした。今回は順調で、予定より早く着いた。初日でもあり、行程を緩めに設定しているので、なおのこと余裕があった。サイクリスト達が「しまなみ海道」を走る自転車を借りるため、店が開くのを待っていた。
カフエーで軽い朝食を済ませ55番を打ち、伊予小松へ向かった。明日の60番横峰寺への挑戦のため、早めに宿に着いた。
(歩数) 11,075歩
(距離) 7.42km
(第2日目)天気 晴
横峰寺は高さが745米あり「遍路転がし」と言われる難所である。ルートはいくつかあるが、私は宿の人に聞いて、砕石場わきを登るコースを選んだ。前回はバスで登ったので、寺までの山登りの大変さを知らない。はじめは車道を歩くのだが、そのご山道に入り、ひたすら細い道を登る。途中、東京田端の女性とすれ違う。7時出発で10時40分に寺に到着。納経の後、宿のおにぎりを食べ休憩。イタリヤ人の男性と会う。残雪が寺の周りにあり、登ってくる人のほとんどが車での到着。雨だったらこんなにスムースに登れない。宿に戻ったのは15時半ごろ、汗だくになりながら帰る。
夕飯は、すき焼きのご馳走。前日は、鳥、豚肉の鍋。食べきれない位の肉量。この宿は、肉を出すと評判の宿で、部屋も新しい。
横峰寺へは、このルートが一番都合がよいと思うが、メインルートではない。
(歩数) 34,995歩
(距離) 23.4km
(第3日目)天気 晴れ暑い
今治が火事で、電車が止まっている。
サァー大変。早めに宿を出て小松駅に。だが情報が入ってこない。電車で「詫間」まで行き、そこから「ふれあいパークみの」まで行くのだが。
やむなく「新居浜行」のバスに変更。昨年の改定で、バス便が減っていた。電車が止まっているため、混んでいる。
「西条駅」に着いたら「ここから電車が走っていますよ」の声で慌てて下車。
「詫間駅」からコミニティバスで弥谷寺そばまで。72番曼荼羅寺、73番出釈迦寺を打ち74番甲山寺へ。少し遠回りをしたが、前回取り残しのお寺はすべて完了。ここから今夜の宿へ電話、道順を聞く。いつもなら電話で聞いた位ではわからず、再度電話をするのだが、迷うことなく宿に到着。昔の家を民宿にした、典型的な日本家屋。電車がストップして焦ったが、行程距離が短かったため「夕飯」前に到着。
オランダ人夫妻と、東京大田区の人が同宿。大田区の人と、オランダ人が話をしている。大田区の人の娘さんの夫がオランダ人との事で、ここから電話を替わり、オランダ語で話をしていた。
(歩数) 19,505歩
(距離) 13.1km
(第4日目)天気 晴れ暑い
ここから77番道隆寺を目指して歩いた。
多度津駅付近で迷う。古い明治時代のような商店街を歩いていて、わからなくなった。多度津駅を目指して歩いていたら、夫婦連れの人が道を教えてくれて跨線橋を渡り寺へ。
その後78番郷照寺へ。ここへの途中でも道に迷う。左折するところを右に進んでしまい、気が付いた時には4,5キロ歩いていた。鉄工所の人に聞いたら、戻った方が良いですよと言われたが。もう一度ガソリンスタンドで聞き、何とか坂出ICの下を抜け19号線を歩き、市立病院方面へ。ロスタイムは1時間以上。
今夜の宿に着いた。予定では楽勝のはずだったが、暑い中クタクタ、気温は夏日を指していた。
桜の花は開花が遅れ、先日の寒波で一部の花が枯れたようになっている。梅だけが真っ赤に咲いている。
(歩数) 32,207歩
(距離) 21.6km
80番国分寺
(第5日目)天気 晴れ暑い
前回も泊まっているので、お接待をしてくれた。朝7時に出発。33号線を歩く。79番高昭院(天皇寺)をうち、80番国分寺へ。なかなか着かない。暑い日差しの中、国道を歩く。コンクリートの照り返しと、暑さで足が進まない。ようやく国分寺を打ち、山登りで81番白峯寺へ。十九丁の分岐まで、生き絶え絶えに登った。ここに無人の接待所があり「飲み物をどうぞ―」
「景子ちゃん」7才が小児ガン、治療のかいも無く亡くなったことから、この場所が出来たと書かれていた。「子を亡くした親の思いが・・・」
私は、この遍路で「戦争をやめて!」こう祈り続けた。世界で何万人という人が命を落としている。乳児から大人まで。戦争の痛み、残された家族の苦痛は。どうにかならないものか。この「景子ちゃん7才」の事を考えても、戦争の悲劇を無くしてほしい。それは戦争孤児で育った私の願いである。
81番白峯寺を打ったのは3時近く、十九丁へ戻って82番根香寺へ。何としても5時までに入らねば・・・。納経に間に合わない。4時45分やっと着いた。すぐにローソク、線香も上げずに納経所に走った。その後手すりを使いやっと階段を上り、本堂へ。下りも手すりを使い降りる。ここで今夜の宿へ電話。「夕飯が5時半からですから、間に合うように来て下さい」ここは禅宗の道場である。入口に着いたが、奥が深いこと。案内を聞き、食事処に入った時には、2人の修行者が食事をせず私を、待っていた。着席と同時に無言で始まる。精進料理で、一切口を開かず、無言で食べ器を茶ですすいて終わる。初めての経験で戸惑った。
(歩数) 43,124歩
(距離) 28.9km
(第6日目)天気 晴れ蒸し暑い
朝4時に目が覚める。軽いストレッチ等をして時間をつぶす。6時に座禅。丸い座布団を尻にしいて瞑想。一切の解説は無し、無言の行。その後2階に上がり、僧侶のやる通りに、お経をあげる。朝食は昨晩と同じ内容。7時に出立。一気に鬼無駅に向かう。鬼無駅近くで自販機を捜すが見つからず・・・。そしたら道路向こうに、素敵な喫茶店。パン屋と喫茶でモーニングあり、美味しくゆっくり休めた。その後、足を進めたコンビニで道を聞く。店員さんが親切に教えてくれた。
83番一宮寺を打ち、天然温泉へ。ここは宿泊もできるので、湯につかりながら、明日の行動を考えていた。
朝、きた「無理せず、ゆっくり休みながら・・・」のメールを反芻していた。明日は雨の予報もある。今まですべて晴れだったが・・・。高松市内をすべて歩くのでは時間が・・・。86番志度寺までは距離がある。遅くなると宿には言ってあるが「ここは、メールにもあった無理せず・・・」これに従おう。電車に乗って屋島まで行くことにした。
(歩数) 26,263歩
(距離) 17.6km
次回掲載7日目~(結願編)をこうご期待。